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自衛隊の依願退職ができない|原因を解説|人的要因をイージーにするコツ

    
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自衛隊の依願退職ができない|原因を解説|人的要因をイージーにするコツ

この記事は前回「自衛隊‐退職手続きの流れ‐分かりやすい10のステップ」のつづきです。

桜庭 将

軍から民間へ、スムーズな移行を目指して引き続き解説していきます。

自衛隊の退職手続きがうまくいかない

自衛隊の退職手続き、果たして滞りなく進むのか?実際のプロセスは順調とは言いいがたいものです。実際にこんなひどい話もありました。

小隊から「それは中隊案件」と言われ、中隊からは「それは小隊案件」と逆に指摘され。人事に行っても、「中隊長に話してください」と。中隊長に話を持って行っても「先任に報告して」とさらに上げ蓋がされます。

この繰り返し、まるで「たらい回し作戦」に巻き込まれたかのよう。この他にも退職ブロックの例はたくさんあります。これはただのプロセスの問題ではありません。ここには、組織全体の不誠実なダイナミクスが潜んでいるのです。

中途退職は上級者の勤務評価に影響するため、辞めて民間に転職しますと申し出てもノラリクラリとかわされます。たとえば「銃剣道合宿隊」や「臨時勤務」に押し込まれたりと、あなたをあきらめさせるために手段を尽くされることもあるのです。

自衛官

区隊長と面談できました。でも…区隊長なりに中隊長への報告の仕方を考えているのか…それとも上申せず話を止めているのか……何も進みません!

このように自衛隊から民間への移行には厄介な人的ハードルがいくつも存在します。「ストレスフリーな退職も、もしかしたらあるのでは?」と微かな希望を抱いているかもしれませんが、甘いことは言いません。中途退職を目指すなら、覚悟が必要です。

思い立ったらすぐに行動しようと言いますが、この状況においての行動とはすぐさま隊長に退職を願いでるのではなく、計画を練ることです。まずは知識と準備を武装させましょう。具体的には、退職において様々な「妨害」が入りやすい瞬間と、その人たちがどんな動機に動かされているのかを理解すること。対策を準備しておけば、ヒラリヒラリとかわすことができます。

  • 前回の記事を読んでいない人はこちら

依願退職が止められるッ!|代表的な10場面

1. 直属の部隊長からの引き留め

上司たちは民間への流出を食い止めるために言葉巧みに説得してきます。人員配置や活動計画を守るためと言われることが多いです。隊長たちも人手不足は避けたいようです。でも本当の理由は別のところにあると疑ってみることも大切です。隊長たちが真に恐れているのは、自分たちの評価に傷がつくこと。勤務評価に影響が出ることや、上級部隊に退職案件を伝えにいって怒られるのを避けるために、退職願いの用紙を渡さない、受け取らない、本人の要望を無視するといった行動が出てくるのです。言われた言葉に隠された真意を読み取ると、その背後には隊長自身の利益が潜んでいることに気づくでしょう。昇任の道を進むため、自分の評価を守るため、そのような自己保身の動機もあります。

2. 遅延作戦

自衛隊は、退職のプロセスにおいても上申が必要です。しかし、上申を滞らせたり、わざと面談を遅らせることで、退職手続きをストップさせることがあります。これは「退職希望者が再考するきっかけを与えるため」という名目のもと行われます。説明としては、「時期が忙しい」「他区隊との面談が重なっていてスケジュールの都合が悪い」と言われることがあります。このような遅延は、あたかも砂を握らせるようなもの。手を強く閉じていても、時間がたてば砂はこぼれ落ちるでしょう。つまり、時と状況に翻弄されることで、あなたの決断が揺らぐことを待っています。単に上に報告するのは気が進まなくて放置されていることもあります。

3. 部隊間のコミュニケーション不足

自衛隊の退職には上申に次ぐ上申がおこなわれますが、部隊間のコミュニケーションが不十分だとその転送リレーが滞ることがあります。情報共有がなかったり、バトンがうまく渡されなかったり、誤解が生じて退職の話が無いものになることがあります。それよりも重要な仕事の方が多いと考えている人もいるので、優先順位を上げてもらうためにも、転送を実施するように念を押して伝える「図々しさ」も時には必要です。

4. ピアプレッシャー

ピアプレッシャーとは、同僚やクラスメイトなど仲間からうける圧力のことです。民間へ移行する決断を下すと、同僚や上司からの凄まじいプレッシャーを受けることがあります。それは意図的な指示の場合もありますし、誰かが命令するわけでもなく自動的におこなわれる集団作用のようなものもあります。部隊の絆や団結力が強いところほど、個人の退職がチームの士気に影響すると信じられています。それを避けるために、辞めるな、行くなとプレッシャーで行動を抑止しようとするのです。この重力から逃れるためには、確固たる信念が必要です。

5. 将来のキャリアパス不明・内定なし

これが退職を認めない理由として最も多く挙げられるポイントです。自衛隊を退職した後の民間企業のキャリアパスが不明だと、退職を認めないという不文律のルールがあります。次のステップが見えない状況では、組織は自衛隊に留めておくことが本人にとって善と判断するのです。なぜなら無職のまま外に出したことで、借金をしたり、詐欺や窃盗事件を起こしてしまう隊員もいるからです。決まって「元自衛官」とニュースにもなり、自衛隊としてはそのような隊員を出すわけにはいきません。アルバイトや腰掛けの仕事も同じで、退職は認められません。文字通り、「ちょっと腰をかけるだけ」の辞める口実として用意した仕事ではダメということです。隊長たちもそこはしっかりと見ています。誰もが認めるような真っ当な就職活動をしていないと、依願退職は認められないことを覚えておいてください。逆に言うと、きちんと転職活動をしてきたその成果や足跡を見せることができれば、あとの理由は、ほぼ上司や自衛隊側の都合ということになります。

自衛隊は依願退職者に対して冷たい態度を示すこともあります。辞める人間なんだから、わざわざ自衛隊の損失になることを支援するわけないと言いたい感がありますよね。それは至極当然のこと。地連も積極的に再就職先を探し出してくれるわけではありません。

だからといって自衛隊を辞めるために「アリバイ会社」を用意する人がいますが、ちょっとまずい展開になるのでそれだけはやめてください。「内定書を偽造」したことがバレて大変になってしまった人もいます。

もちろん服務事故を起こすのもダメです。事故を起こしたら退職できるという噂がありますが、都市伝説です。調査や事情聴取が始まるため、処分が決まるまで退職はさせられないので余計に延びることになります。それに不祥事を起こすとあなただけの問題ではなくなります。その隊員がいる部隊の昇任枠が無くなってしまうなど何年も泣かされる隊員が出てしまいます。

自衛隊を辞めるには正攻法が最も安全でスピードが速いです。つまり「民間企業に転職」をするのです。私が言いたいことは分かりますよね?目指すべきは退職ではなく民間企業に就職をすることです。それが逆説的に退職を早めることになりす。空白ができないようシームレスに民間に移行しましょう。

心配や不安もあるかもしれませんが、大丈夫です。もうあなたにはMilizoがついています。就職活動のミッションはあなたの決断で迅速に解決できます。

6. 退職時のお財布状況

預貯金が退職手続きのボトルネックになります。いわゆる通帳管理です。少ないと外禁になることがありますよね。それが退職でも同じように適用されてしまい経済的な面から退職を延期することが適切と判断されてしまいます。特に若い営内者の場合、上司としては親御さんから大事なお子さんをお預かりしている以上、将来のお金の計画を立てることの重要性を教えるために、服務指導として預貯金のチェックを徹底する部隊もあります。お金に困った隊員が窃盗などの犯罪を犯さぬように経済状況を把握するということです。これは隊員保護としてやっています。単にいじわるしたくて引き止めるわけじゃないこともあるのです。しかし現実に、金銭トラブルに悩んで窃盗をしたり、消費者金融で借金をして破綻する隊員がいることは事実です。営内班長としても、金銭面でゆるゆるな隊員に手を焼いています。民間へ移行する計画を立てると同時に、しっかりお金を貯めておきましょう。

7. 退職届(調書)の書き直し

退職の内容が基準に満たないと判断されると、まさかの書き直しを命じられることがあります。退職に適切な理由がない、説明不十分、転職の動機が不明瞭と言われ、もう一度はじめから面談をおこなうことになります。隊長たちは、あなたのために素晴らしい文章を創作してくれるわけではありません。無理矢理に説得して退職を進めてもらっても、そもそもの転職理由や動機が不十分だと、内容も弱々しいものになってしまいます。自衛隊は「逃げの退職」には厳しい姿勢を見せます。途中で辞めて民間企業に移行する明確な理由を、論理的に説明できるようになりましょう。

8. 配属部隊の変更

人手不足を避けるために退職希望者に別の部隊や職種に異動しないかと提案されることがあります。新しい環境や人間関係が変われば問題が解決するかもしれないと期待しているわけです。あなたもそれを望み、希望職種に異動できて新しい部隊にすぐに馴染めたらいいですが、それがあなたを深みに沈める罠になる可能性もあります。枠の問題もあり、すこし待ってくれと言われて待機しても、少しも状況が変わらず仕舞いということもあります。

9.技術や専門知識の喪失

あなたが持つ高度な技術や専門知識の喪失は、部隊の運用に影響を及ぼす可能性があります。そのため、組織は退職を許可しにくくします。民間企業に移行する際には、それよりもずっと前に技術の引き継ぎをおこないましょう。

10.上層部の意向や方針変更

上層部の意向や方針によっても影響を受けることがあります。部隊内の人員配置や人材確保の観点から、一定数の隊員を確保する必要がある場合、退職届を却下することがあります。

退職の阻止には、上司にとっての肯定的な意図が隠されていることに目を向けてみてください。つまりそうしたほうが都合がいいことがあるのです。ですから退職は切り出すタイミングを見極めたり、転職先を確定することや準備をしっかり整える必要があります。衝動的に行動してしまうと言葉を誤ったり、本音を語って相手の機嫌を損ねたり、退職の難易度を自ら上げてしまうこともあるので注意してください。

では、どうしたらこれらの障壁を乗り越えることができるでしょうか?その答えはあなた自身が握っています。答えまでの導きを必要とするなら、Milizoにご連絡ください。

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