退職自衛官のキャリアメンター|民間企業で働く方法

履歴書・職務経歴書の作成に入る前に

    
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履歴書・職務経歴書の作成に入る前に

LETTER

from 桜庭 将

こちらはもう済んでいますか?まだやっていないのでしたら、その転職は大変な道のりになるかもしれません。自衛隊から民間企業に転職し、個人成長率の高いヒーロー社員として多くの給料をもらいながら活躍している元自衛官たちは、全員この道を歩んできました。


自己洞察はしましたか?
スキル翻訳はどうですか?
自分の適職を考えましたか?
企業リサーチは行いましたか?

書類選考を通過するためには、応募書類がキレイに書かれていることよりも「志望動機」に厚みがあるほうが効果的です。

残念ながら、一般の会社員には自衛官のほとんどの経歴を理解できません。スキル評価が難しいとされていたり、社会経験ゼロと思われていることもあります。また自衛官は素人目から見ると似たような経歴になるため、経歴で差をつけるのは難しいのです。

それよりも、あなたの熱意、そしてどれだけ熟考してその企業を選んだかについて語るほうが、面接に進める確率が上がります。

  1. なぜその企業を志望しているのですか?
  2. そこでどんな目標が達成できると期待してますか?
  3. それは何かを懸けてでも達成したいものですか?
  4. 別の手段では達成できないものですか?
  5. その企業でなければならない理由とは?
  6. なぜその企業以外ではダメなのでしょうか?

これらの答えをすぐに出せないのなら、まだ履歴書のフェーズではありません。

すこし突き放した言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、質問が多すぎると感じるなら、転職が人生に与えるインパクトについて認識が甘いかもしれません。

あなたが始めようとしているのは自衛隊から逃避したいだけで、真の志望動機をともなった転職にはならないと思われます。

この過程を飛ばして失敗する人たちを実際に見てきたからこそ、言えることです。

せっかく行動力があるのに、もったいない!

ここにいてこのメッセージを読んでいる事実、それは行動力がある証拠です。それをもっと自分の輝きに焦点をあてて、より多くの見返りを手にできるように目指してみてください。

今や民間企業で「ヒーロー社員」と周りが認めているほどの成功を収めた元自衛官たちも、ここで回れ右をさせられた人は沢山いました。

でもその結果、自分が成れると思っていたものよりも、はるかに高いレベルまで登り詰めることができ、経済的に余裕のある生活を手に入れました。

可能性に満ちあふれた存在、それがあなたなのです。自衛官は元々、体力、忍耐力といった面でポテンシャルが高いのですよ。

しかし選んだ環境が悪ければ、もしくは自分に適切な場所を与えなければ、その可能性は開花することなく、わずかな収入とボロボロの財布とともに、人生の大部分を「嘆く時間」に費やすことになるでしょう。

あなたは自分を過小評価してはいけません。もっと多くの価値を与えることができ、同時に、より多くの見返りを受け取ることができる人であるはずです。

それができる人間だと信じていいんです。

転職の十分な準備として、最初におこなうアクションは「履歴書から」ではありません。

あなたが自己洞察から始めてしっかり準備してきた人なら、そのまま先ほどのページを参考に応募書類を書いてください。ここまでよく頑張りました。もうすぐ出発です。

でももし最初にたどり着いたのが応募書類作成のページで、まだひとつも転職計画科の学びを実践していないという人でしたら、まずはスキルの翻訳から始めてください。

私は前もって警告しておきますよ。履歴書のほかにやることはないと思い込んでいるようでしたら、失敗を経験するでしょう。無数の選択肢の前で立ち往生し、人生の迷路に迷いこみ、多くの時間を無駄に費やしてしまうでしょう。

転職は人生の節目。ましてや「企業から企業」ではなく「自衛隊から企業への移動」は、革命的な意味をもちます。

企業から企業へ移動することは改善レベルです。でも自衛隊から企業への移動は、文化がまったく違うため、生活構造やさらされる評価基準が180度ひっくり返るわけです。

周りの人々の考え方も、行動様式も、頻繁に口にする専門用語も、すべて変わります。

この転職という大変革の節目を、手当たりしだいの感覚だけで進み、簡単なゲームのように扱うと痛い目を見ることになります。私の忠告は当たりますよ。

これまでの経験則から導き出されたアドバイスです。

さあ、手紙は以上です。準備ができましたら応募書類を作成していきましょう。

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