退職を引き留められる理由【自衛隊員の人手不足】は本当なのか?
ここでは退職を引き止める理由として「人手不足」と言われることについて、あなたが心配しなくてもいいように、解説していきます。
充足率を見ればわかる
防衛省の公式サイトでは、陸、海、空のそれぞれの充足率が発表されています。
全体のうち、中身がどれくらいの割合を占めているかを表す値のこと。
100%ならいっぱいになっていることを意味します。50%なら半分しか埋まっていないということになります。
以下の表を見てください。
区分 | 陸上自衛隊 | 海上自衛隊 | 航空自衛隊 | 統合幕僚監部等 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
定員 | 150,777 | 45,356 | 46,923 | 4,098 | 247,154 |
現員 | 138,060 | 42,850 | 42,828 | 3,704 | 227,442 |
充足率(%) | 91.6 | 94.5 | 91.3 | 90.4 | 92.0 |
充足率はいずれも90%以上となっています。
次に、自衛隊のなかで1番多いとされる入隊区分の「自衛官候補生」の合格率を見てみましょう。応募者数、合格者数、合格率、いずれもほぼ横ばい。採用基準は下げていないということが以下のデータから分かります。
人手不足が深刻な問題であれば、合格基準を下げて合格者数を増やす、もしくは応募者数の母数を増やせるように何らかの努力を行うはずですが、その様子は見られません。
もしあなたの上司から「人手不足だから辞めるな」もしくは「充足率のかねあいで辞められないルールがある」と言われても、それはたいてい上司の都合の悪いことか、本当に人手不足であっても自衛隊の事情であり、あなたには全く関係ない問題です。少なくともあなたが民間で失敗しないために引き止める言葉ではありません。心配なら他にもっともらしい言葉を使うはずです。
部隊を辞めたら人員が一人減り、その分をカバーする人員が必要になりますが、組織というものは思っているよりもはるかに早く、いともたやすく、空いた穴を埋めることができるものです。
充足率が100パーセントになることが目標とされているのでしょうが、なぜ隊員たちが中途退職をすることになったのか問題解決に目を向けようとしないのです。
特にあなたがそれについて訴えかける必要もありませんし、利益にもならないことなので、声を大にして言うメリットもありません。でもあなたのような一人一人の自衛官の行動の蓄積によってそれを分からせることに結果として繋がるかもしれません。特にあなたも充足率を心配していればの話ですが、、、
人手不足を理由に引き止められても、大丈夫です。あなたの希望する道に歩みを進めてください。